事業承継 ~中小企業の事業承継とM&A 185~

こんにちは、畠です。
今回は、父から子へ事業承継するときに子どもまだ社長の器でなかった場合
のお話をしていきます。

<世代交代の“つなぎ”>

承継を決めている息子さんにそれなりの才覚があるが、年齢もスキルも不十分のため、「まだ若い息子にいきなり継がせるのは不安なのでしばらくしてから事業承継をしたい」といった相談を受けることがあります。

また、「息子は都会に出て大企業に勤め、公私共に充実している。事業承継のために呼び戻してよいものだろうか・・・」と悩む社長もいます。

 

このようなケースの有効的な手法として、中継ぎ人材を登用する方法があります。

先発のオーナー社長がリタイアしてマウンドを降りる。1回か2回、リリーフピッチャーにリードを守り切ってもらい、本命の控え役の投手である息子へと繋ぐのです。

息子さんが大企業や海外の企業で働いているのならば一区切りできるタイミング、またスキルや年齢といった準備が整うまでをリリーフピッチャーに託すのです。

息子さんはその間、ブルペンで入念に肩を作ることができるというわけです。

 

リリーフ人材には社内の専務など役員でもよいのですが、思い切って外部から適切な人材を入れるという方法もあります。

 

このケースの注意点として「リリーフの役割はあくまでも本命までの中継ぎ」ということを書面などで合意しておく必要があります。

なぜならば、条件交渉が曖昧なままでは中継ぎがごねて、「オレが最後まで投げきる」と言い出しかねないからです。
業績が上がっていればなおさらそのリスクが高まります。

先発のオーナー社長とリリーフ役の社長の間で、報酬だけではなく退任時期の目安やその際の退職金、株の一部を保有している場合は株の買収価格などを定めておく必要もあります。

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事業承継 ~中小企業の事業承継とM&A 184~

こんにちは、畠です。
前回から「MBO」(他社などの第三者ではなく、非同族を含めた自社に関係する人材の中から後継者を見出す事業承継の方法)をお話しています。

MBOの難点として、「経営力のある最適な人材」がなかなか見つからないということが挙げられます。

<MBOの難点>

雇う側と雇われる側では、大きな差があります。
例えば、社長の右腕、金庫番として会計や経理を一手に担っていて資金繰りの苦労などわかる専務や役員がいたとしても、技術や営業のことはもう一つ分からないということがあります。

逆に、内外からの人望が厚いうえに営業成績や技術に秀でたベテランスタッフであっても、お金のことはからっきし分からないという人もいます。
会社の特定の分野に秀でた優秀なスタッフであっても、全体を見通して先の戦略を立てていくのは別の才覚なのです。

また、スタッフ間で「オレより年下の人間が社長になるのか」といった感情論が問題になることもあります。

仮に前オーナー社長に匹敵するほどの経営の才覚があり、内外の人望も厚い候補スタッフがいたとしても、さらに別の問題があります。
それは、前オーナー社長から株式を買い取るだけの資金力があるかどうかという問題です。
さらにいえば、会社が金融機関から借入している場合は、通常、オーナー社長の退任に伴って、新オーナー社長が借入金の個人保証を引き継ぐことになります。その際、金融機関を納得させるだけの信用力を問われることになります。

このような問題を解決する一つの策が修行期間を設けることです。
あらかじめ2~3年などの準備期間を設け、帝王学を学んでもらうのです。

例えば、営業や技術のことは何でも分かるオーナー社長の右腕が会計の事は苦手という場合、実践の中で経営と会計分野のことを集中して学びます。

併せて内外に「次期社長」を公表し、周りの見る目も好奇から信頼に変わったとき、満を持してMBOという形で事業承継を行うわけです。

 

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事業承継 ~中小企業の事業承継とM&A 183~

こんにちは、畠です。
オーナー社長の息子や娘が事業を承継しないとなった場合の対処方法をお話していきます。

<MBOという事業承継>

ひとつの考え方として娘婿といった直系以外の親族や甥などに事業を継いでもらうという道があります。

この場合、彼らがオーナー社長の経営する会社で働いていて才覚を認められているか、あるいは稀なケースとして独自に事業を行うなどしていて経営のイロハが分かっているといったことが条件になるでしょう。

また、第三者である自社の社員の中から後継者候補を探し、その人に会社を継いでもらうという選択肢もあります。

このように、他社などの第三者ではなく、非同族を含めた自社に関係する人材の中から後継者を見出す事業承継の方法を「MBO」といいます。

MBOのメリットとしては、外部の人材が入ってこないことから、いままでの体制や会社の文化(しきたり)を維持しやすいということが挙げられます。

第三者に株式や事業を譲渡するM&Aでは、買い手となる会社が以降の経営を担っていくことになります。

そのため、いわゆる社風や日々の業務の流れ、販売ノルマといったあらゆる点で、買い手の会社が培ってきた文化が入り込んできます。

人は一般に慣れ親しんだ環境が変化することを嫌ったり戸惑ったりします。
現場の従業員はもちろん、売り手となるオーナー社長本人も、
「長年経営してきた会社やその従業員をきっちりと導いてくれるだろうか?」と
不安になるものなのです。

そのような新たな風や血が入ってくることで、買収された中小企業が活性化され、また買い手の会社のブランド力などが関わることで競争力のアップにつながる例は多いです。

しかし、そのことに思いが至らないばかりに、外部の人材や文化が入ってくることに抵抗を感じる人が多いのも事実です。

 

MBOが首尾よくいけば、前オーナー社長に代わり、みなが周知の新社長が就任するだけで、周囲の環境はほとんど変わらないでしょう。

一種のクローズドな環境でビジネスが上手く回っていたような会社では、MBOのメリットは十分にあるといえるでしょう。

 

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事業承継 ~中小企業の事業承継とM&A 182~

こんにちは、畠です。事業承継はその手法によっては来るべき世代交代の日までになすべきことも変わってくるものです。

<必要なのは事業承継ごとの対策>

たとえば、ご子息など同族の誰かに相続させるのが前提であれば、自社株の評価額は低いほど良いということになります。

なぜなら、オーナー社長から息子さんなどに株式を譲渡(相続)するという形が一般的なため、株価が低い方が次期社長の相続税の負担を減らすことが出来るからです。

また、M&Aなどで第三者への譲渡を考えるなら、いうまでもなく自社株の評価額は高ければ高いほど良いことになります。たとえば…

・オーナー社長の役員報酬を今後数年は下げた方がよいのか

・会社で保有している高級車やゴルフ会員権、不動産などは処分する方がよいのか
オーナー社長が個人として会社から買い取る方がよいのか

・相続対策を視野に内部留保資産を会社名義の不動産に替えておいた方がよいのか

などさまざまです。
目指す「出口」によって、それまでの戦略もまた異なってくるのです。

<後継者(事業承継)別の株価評価の理想>

 

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事業承継 ~中小企業の事業承継とM&A 181~

こんにちは、畠です。

事業承継は時間のかかるものです。今回は、私が相談を受けたさまざまなケースをご紹介しましょう。

<事業承継への準備>

私がよく相談されるのが、「息子や嫁婿に会社を継がせてよいかどうか」というものですが、答えはまさに千差万別です。

継ぐ気があっても才気が今ひとつという場合もあれば、十分に資質があるのに継ぐ気がないこともあります。
後継者として十分な才気はあるものの、気質が激しかったり切れ者すぎたりして、地方の輪を重んじる中小企業の経営者には向かないとケースも稀にあります。

また、さまざまな会社の事業承継を見てきた中では、「息子がこんな風だったとは!」という声もよく耳にします。
男親と息子は意外と口を利かないものです。そのため、心配だったが継がせて大正解だったと言う声もあれば、逆に、任せて失敗だったという声もあります。

いずれにせよ、事業承継とは入念な準備や確認が必要です。

「社長の体調が思わしくなくなった」「経営への意欲が薄れてきた」
そんなタイミングで事業承継しようというのでは遅すぎます。

たとえば、社長の突然の死によって会社経営の経験がない妻や子どもが会社を相続しオーナーとなるケースがあります。
しかし、生前のようなスムーズな会社経営が出来なくなることも多いでしょう。
もちろん、従業員や取引先が離れていくこともあるでしょう。
最悪の場合は、会社は倒産し残った従業員は路頭に迷うことになります。

オーナー社長であるならば、そんな最悪のシナリオもあるのだと肝に銘じておくべきでしょう。

繰り返しになりますが、事業承継の準備は早めにすることをお忘れなく。

 

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事業承継 ~中小企業の事業承継とM&A 180~

こんにちは、畠です。
親族間承継は多くの人が望むゴールです。しかしながら、約3分の2の企業では後継者が不在で他の選択肢を選ばざるを得ないオーナー社長が多いのが現実です。

オーナー社長引退後の企業が歩む道

オーナー社長の引退後の企業が歩む道は以下の5つです。

  1.   親族間承継
  2.   MBO(従業員承継)
  3.   M&A
  4.   IPO
  5.   廃業・清算

理想は親族か従業員への事業承継でしょう。

清算・廃業は本人も、従業員をはじめとする利害関係者も、ひいては社会も失うものがあまりに多くて薦められません。そうなりますと、選択肢は必然的にM&Aか、MBOに絞られてくるのが現実です。

IPOはストックオプションをはじめ多大なメリットがあるものの、実現可能性は低いと言わざるをえません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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事業承継 ~中小企業の事業承継とM&A 179~

こんにちは、畠です。今回は企業の清算・廃業について詳しくお話します。

<清算・廃業のデメリット>

清算・廃業は金銭面でも不利なことが多いものです。
会社が存続しない以上、在庫や設備といった企業活動に必要だったものが清算価格として“二束三文”にしかならないからです。
たとえば、売掛金が100%回収できて、他の資産に比べて一般に価値の下落が少なくて済む土地は帳簿価格の70%で売却できますが、在庫、設備はいずれも20%にしかなりません。
このような例は一般的で、つまりは買い叩かれてしまうわけです。

一方、M&A、MBOでは、買い手となる第三者企業や非同族のスタッフが新オーナーとなりその資本の下で会社が存続するため、在庫や設備は必要なものとして極端に買い叩かれることはありません。

つまり、オーナー社長の手残りを増やすという観点からも、清算・廃業はお勧めできないのです。
清算・廃業では借金だけが残ります。最悪の場合、「清算後に自宅さえ失ってしまいかねないような状況だから、会社を畳みたくても畳めない」といった悩みをお持ちのオーナー社長も多いようです。

清算・廃業以外の選択も検討することをおすすめします。

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事業承継 ~中小企業の事業承継とM&A 178~

こんにちは、畠です。
今回は事業承継を含めた会社の世代交代の選択肢を5通りご紹介します。

<企業の世代交代>

① 親族への相続
オーナー経営者というものは、本音のところで親族への相続を第一に考えているものです。しかしながら、この選択を望みつつも叶わないケースが多いのが現実です。

② 株式を上場
中小企業の一つの成功の形で、新興市場などに株式を上場して上場企業になるという選択肢です。いうまでもなく参入障壁は高く、上場コストは少なくとも数億円程度は必要になることが一般的です。

③ M&A
第三者の企業に株式や事業を譲渡して、その資本の下で会社を存続させるという選択肢です。当社はM&A仲介をさせていただいていますが、最近では、事業承継目的だけでなく、将来を見据えて成長戦略的にM&Aを実行される企業も増えてきています。

④ MBO(Management Buyout:マネジメント・バイアウト)
親族外と言う基準では第三者ですが、非同族の社員などに会社の株や事業を買いとってもらうという選択肢です。MBOも広義ではM&Aのひとつともいえるでしょう。

⑤ 清算・廃業
安易にこの選択はして欲しくはありません。清算・廃業は文字通りの店じまいです。
従業員やその家族は路頭に迷い、長年の取引先も仕入先や販売先を失うことになります。この決断をする前に、事業承継やM&Aの検討、そして自治体や専門機関への相談を検討することをおすすめします。

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事業承継 ~中小企業の事業承継とM&A 177~

こんにちは、畠です。このごろ中小企業の将来を考えると悲観的な話が多くなってしまいますね。今回は、中小企業にも未来がある話をしていきましょう。

<中小企業にも未来はある>

ここ数年、中小企業の経営者から後継者不在の悩みをよく聞きます。
そして、親族内に後継者がいない場合、第三者に会社や事業の一部を譲渡するM&Aという選択肢を選ぶ人も増えています。
最近では、事業承継をサポートする法整備も確立され、専門家の相談窓口も目に付くようになりました。

全国的にみると、中小企業でも技術や長年の信頼、特定のエリアでの営業権や許認可などを武器に大企業と肩を並べて頑張る企業もたくさんあります。

また、特に地方の場合は、キラーコンテンツと呼ばれるような競争力のある商品、サービスを提供することができれば大企業を上回る利益率を上げることは十分可能です。それは、都会に比べてライバルが少ないうえに、人員や設備などの“図体”が小さい分スピード感があるからです。
優れた技術や商品、立地条件等を地域で寡占に近い状態で提供できることから、実は、儲かっている中小企業は地方にこそ多いのです。
都会では多数のライバルを出し抜くくらいの特色がない限り埋没してしまうのが現状です。

これを収益不動産に例えてご説明しますと、丸ごと一棟への投資にせよワンルームなどの区分所有にせよ、都会では人気エリアの物件でもライバルの存在が多すぎると利回りは良くて7~8%程度です。
一方、地方の物件ではライバルが少ないため、利回りが10%を超える物件が当たり前にあります。
もちろん、都会の物件は利回り(リターン)が低い分、売却がしやすかったり空室が生じにくかったりする為リスクも少なくなります。都会と地方、どちらへの投資がよいのかはケース・バイ・ケースですが、満室に近い状態を保てるのであれば、リターンの多い地方の物件で運用するほうが収益性は高くなるという理屈です。

後継者不在や企業の高齢化など課題は山積みでしょうが、今上手く回っている会社を簡単に畳んでしまう必要はありません。
会社を永続させる方法はいろいろありますので。

 

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事業承継 ~中小企業の事業承継とM&A 176~

こんにちは、畠です。中小企業の社長の高齢化は社会問題になっています。
全国平均62歳。 社長の高齢化が止まらないようです。

<企業の高齢化問題 「老害」で業績悪化>

東京商工リサーチが2018年2月13日に発表した調査によると、2017年の全国社長の平均年齢は前年より0.26歳延びて61.5歳となり、調査を開始した2009年以降で最高年齢の記録を更新したそうです。

調査によると、社長の年齢は60歳以上が58%を占めます。IT企業など最近の勢いある若い社長が経営する会社も増えてきましたが、30代以下の若手経営者はわずか3%しかいませんでした。

社長の年齢と業績の関係をみると、70代以上が社長を務める会社では「減収」「赤字」の割合が47%と最も多いという結果でした。

団塊世代(70歳前後)の事業承継が進んでいないことが主な理由といえます。

また、その会社の経営状況と社長の年齢をみると、業績悪化が社長の高齢化と関係があることもわかってきました。
つまり、社長の高齢化が会社の減退に拍車をかけているといえます。

この調査の数値からは、後継者不足に加えて事業の不振や先行き不透明感がダブルパンチとなって、後継者問題どころか、目先の対応で手一杯と言う様子まで垣間見えます。

中小企業の後継者不在という問題は、少子高齢化によって人口減少社会が始まった日本の縮図ともいえるでしょう。

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