大企業のM&Aは、投資家を意識した株式価値の維持や増大を目的とするものが一般的です。国際的な競争力をつけたり、収益性を高めるために不採算部門からから撤退し他社で引き継いでもらったり、事業を集約することによりスケールメリットを図ったりという、競争力の強化や収益性の一層の向上を目指すために、その過程では、営業拠点の閉鎖や従業員のリストラなど、相当の痛みを伴うこともあります。
【中小企業のM&Aとは?】
中小企業のM&Aは、大企業のM&Aとは目的が全く異なります。中小企業の場合は、会社が未来永却に存続していくための切実な問題が関わっているケースが多いのです。M&Aで譲渡を希望する企業の多くは、後継者問題の解決や、不得意分野からの発展的撤退を目的としています。買収希望企業の場合も、既存事業の補完や新規事業分野への進出、経営の多角的などが、その主たる動機であり、目的です。
そして何より、大企業のM&Aとの決定的な違いは、友好的でなければ絶対といってよいほど成功しないということでしょう。
中小企業のM&A成約案件は、後継者問題解決型M&Aが大半を占めるわけではありません。最近では、まだ若い経営者が法改正を後ろ盾に、前向きな経営戦略のもとでM&Aを行うケースも増えています。
M&Aの手法には、多岐にわたるバリエーションがあります。中小企業のM&Aでは、譲渡企業の経営者のライフステージや今後のビジョン、買収企業の経営戦略により、数あるバリエーションから当事者(社)のケースにふさわしい手法を選び、企業同士が手を取り合っていると考えることもできるのです。今後はこうした、売り手・買い手ともにウイン・ウインの関係で終わるM&Aが、ますます増えていくに違いありません。









